the inner of Ti

The inner of [Ti]
COMICS '99

[最近読んた漫画] 991220

　『ダーク・ウィスパー』改訂版が年内に出なくても気にしません。待つことなんて簡単デス。(^^;)

1.『LaLa-DX １月号』　（白泉社）

　うーん、相変わらずの秀作揃い！　見事だっ！！
　巻頭の『A.F.』からして、センスいい。とてもベテランとは思えない瑞々しさと流石と思わせる達者な作りに感服ですよ。　惹き付けるキャラクターとその変化の様子が気持ちいいです。　…写真はいいね、ホント、なんであんなに撮るヒトの内面が写るんだろうと、いつも思いますよ。(^^)
　『Rush Out!』は、あぁ、デビュー作品ですか。投稿作品にあった粗削りな魅力がうまい感じで残りつつ、キレが加わって、面白い味で読ませますねー。これからも楽しみです。
　『左大臣家に奇しの桜が咲く話』は、シリーズ化してくんないかなぁ、いい感じだよ、この前後作。　劇画ばりの達者な絵柄もすっかり少女漫画風に洗練されてきて、センスイイです、このヒトも。　それにしても、このヒトはどうして単行本が出ないのかなぁ、不思議だよ。（既に切り抜きがキングファイル一冊以上になってる）
　『マイグランドファザー』は、投稿作にメロメロきゅーにさせられていただけに、待望の一作でしたが…、なるほど、コレが地なんですねーっ、って感じでこっちもスキです。(^^)　前作に引き続きジジイ話なんですが、なんつーか、年寄りに対して素朴に尊敬している風がイイです、この人の作品って。面白い魅力だなぁ。
　『ノッキング』は投稿作ですけど、以前に選評で粗筋が載っていた時（よね？）から気になっていたんですが、期待に違わず、面白い雰囲気で新鮮でした。　正直言ってムリのある展開ですけど、気持が伝わる、そんな感じで。　これからが楽しみっす。
　…などなど、相変わらずコストパフォーマンス高い上に、厚さも2割り増しで、広辞苑に追いつこうかという勢いです(^^)　
　でっ、『BELL2』と『人形師の夜』の掲載される次号には、もう今から楽しみだだだ！！
（『天然素材で行こう６』でちらっと書いてあった、「新しいシリーズ二つ」って、一つは『BELL』ですよね？じゃ、あと一つは…『Go! ヒロミ Go!』か？！　そうか、入学シーズンに合わせて第二回なのか？！　ヤッホウ！！（推測））

2.『超次元遊郭　花天楼』　なるしまゆり（角川書店）

　なるしまセンセ、働き過ぎだってば(^^;)　一体、幾つの出版社で幾つの連載を抱えているのか、把握できてないっすよ、オレ。５つ以上？　また、そのそれぞれで独自の世界を構築しているのもスゴイ
　で、このヘンなタイトル（失礼）の本作も、確固とした独自の世界観が構築されていて、うなることしきりです。　中途半端な終わり方に少し残念な感じが否めないですけど、何か大切なものが表現されているようでもあり、ココロにひっかかります。　うまいもんです。　これからも頑張って欲しいです。

3.『ヘルシング２』　平野耕太（少年画報社）

　隔月刊からすみやかに月間化を果たしてもなお原稿を落とすヒトが極少でコミックマスターが暗躍（？）してるんじゃないか的質と量を兼ね備えた『Young King OURS』にあって、数少ない不定期連載（笑）であるトコロの本作ではありますが、作者本人が言っておられるよーに、「頑固じじーの作るまっずーいラーメン大量生産」がいい味出してて、もっとやれーっ！！って感じの暴走っぷりがキモチイイです。(^^)
　じじい大活躍！　屋内で“砲”をぶっぱなす戦闘！　劣化ウラン弾！（やりすぎ）　いやいや、ミゴトっす！
　早く南米での暴走が見たいです(^^)
　あ、でも、宇宙要塞はソロモンっすよ、やっぱ！　あとニュータイプには同感。（意味不明）
　

　で、胸くそ悪い編集者には嫌悪するが、“少し違うプロ意識”を持った才能あるヒトを甘やかす場として『電撃大王』みたいなものがあるのもいいんじゃないかな。　多分、最終的には自分も得することだろうし。

[最近読んた漫画] 991129

古本屋で『P.S.セキュリティポリス様』（河内深雪・白泉社）を見つけてget。おもろい～、笑う～(^^)

1.『未来のゆくえやまむらはじめ短編集』　やまむらはじめ（少年画報社）

　前作『ドライエック』は、悲しくて、乾いていて、残酷で、あがいていて、それがたまらなく魅力的だった。（ちなみに、この“ドライ”はドイツ語の“3”であって、Dryじゃないけどね）
　今回のシリーズは、なんだろう。
　…『ドライエック』では束の間に流されてしまったような“心地好さ”、“暖かさ”が前面に押し出されていて、でもその分だけ、やるせなさや焦燥・悲しさ・そして残酷さが引き立っていて、やっぱり、たいそう魅力的です。
　連載時に読んだ時も魅力的だったけど、こうしてまとまったものをよんでみると、作品毎のカラーは多様で決して紋切り型ではないのに、互いが一層雰囲気が引き立てあっているような気がして、じんわり来ます。　物語が季節順に並べかえられているだけじゃなく、こう、群像ドラマ的一体感とでも言いましょうか…。(T_T)
　破滅的な連中が魅力的だった『ドライエック』、前向きになるための悲しさの『未来のゆくえ』、乱暴だけどそんな風に理解しました。
　それにしても、装丁の出来が『ドライエック』での敗北からの捲土重来といわんばかりで、内容に見合った出来の良さなのは、ほんとうに良かった。ヤレヤレ。　そんで、カバー下のおまけも何気に嬉しいし(^^)（でも、ナンで背の作家名の色が青なのかが惜しい、というよりも謎だよ～。配色のバランスが崩れてない？）
　ともかく、短編はかくあるべし、そう思える作品集なのだよ。　流石です。　満足。

2.『セシリア・ドアーズ』　江ノ本瞳（新書館）

　ちょっとどころではなく、古い（初版1995/09）ですが、読み返してじんわり。
　確かＣＤにもなったこの作品、作品のテーマの如く、しみ込んでくるですよ、何かが。(T_T)
　私自身が上↑みたいに“破滅的な状況の中にある一筋の光明・救い”がスキな体質であることを差し引いても、この感動は万人共通ではないかと切に思います。
　…と言っても、わかるわけないでしょうけど、ロボットのココロ系統の不器用さと、一瞬にして血が凍る様な残酷さと、透明な暖かさとが混じり合って、…切なくて心地好いです。　うまく言えないや。
　うまく言えないけど、悲しいけど嬉しい、そんな感動がある物語です。
　二巻も併せて、オススメの逸品です。　じんわり。

ちなみに、上記古本屋でかれこれ１２年探してた『そんなことないよ』（アニメージュ文庫）を見つけて矢も楯もなくレジに走ったのは、ヒミツだ。(^^;)←分からない人（大多数）は気にしなくて、よし。

[最近読んた漫画] 990930

　うぃっす、平日だけど珍しく更新っす。
　ズンドコまで落ちそうになったワタシのハカナゲなハートを、まほろさん(19、本名安藤まほろ、五人家族の長女、海外経験長し、特技家事一般＋α、真面目)に救ってもらったんで、つい。

1.『ああっ女神さまっ１９』　藤島康介（講談社）

　いやぁ、やっと、あの俺的感涙の名シーン「おかえり」です～。(;_;) 千尋さん、カッコイイです～(T_T)
　峠の幽霊編の完結話と、ロボット話、そんでボードレース話のセットで送る１９巻は、バイク乗りゃーでメカニカルひゅーまん（謎）なワタシには堪えられない組み合わせで、くー、もう一杯！ですー。　うはうは。
　と、いいつつ、ボードレース話は「お楽しみはこれからだ～」な終わり方なんで、仕方なく自前の『きりぬき女神さま』を読む…。　うをーん(T_T)　いーよー。　今週は同僚のレースについてこっと。…などと、テンション高くなるっす。　ついでに『きりぬき～』にあった、『機動婦警夏美』にも、「あー、こんなん、あったっけー(^^)」笑ったのは、また別の話デスー
　…そういえば、『痕』に関する続報がありませんね、藤島氏。　願わくば、梓でありますように。(^^;)

2.『エクセル・サーガ５』　六道神士（少年画報社）

　多分、今、一番旬な漫画の一つであろう、市街征服への大きな一歩と二歩下がる物語で、エクセルの声がうさぎandミサトさん（すまん、これくらいしか知らんのだ）なのは、テンション高そうだなー、的おいしさでしょうか。（謎）
　さて、表紙、ＣＧですね。先月の『ジオブリーダーズ』もＣＧだったし、OURSの漫画家さん、流行ってるんでしょうか？
　ナニハトモアレ、TYPE 1ST！
　さぁ、皆さん、御一緒に。
　ナニハトモアレ、TYPE 1ST！
　ナニハトモアレ、TYPE 1ST！
　ナニハトモアレ、TYPE 1ST！
　…以上、マインドコントロールでした。(^^)

3.『まほろまてぃっく１』　原作：中山文十郎　作画：ぢたま某（ワニブックス）

　ノーマーク作品でしたが、店頭でこの単行本に出会ってふぉーりんらぶっす、ワタシ。
　キレイな表紙でねぇ、センスいいなぁ。
　まぁ、最初の印象は「あゃ？　ちょっとえっちな、ゴロゴロコメディ？」だったのが、第三話のシルフィード（ちゅーか、ジェットスクランダー！！）のシーンで、大好転！　加えて、第五話の深雪んちの4姉妹＋御両親話＋泣かせるモノローグで、俺様ボルテージがギューーーーン↑でしたー。(T_T)
　いやー、原作の姑息さちゅーかあざとさといったら、もー！　最近のコアなガイ（←？）の思考/嗜好のツボをがっちりキープしつつ、これでもか、というサービスと、おさえ所と引き所！　わかり易さと親切さ！　いやはやスバラシイ。
　また、計算のカタマリのよーな原作を、作画で上手い具合（イヤミなく・バランス良く）に表現するするすること、うひゃひゃのひゃー。　まほろさん、おねぇさんだし。(^^)　あ、千鶴子もスキだー。(^^;)
　伏線がいい具合に大団円に向かって働くのか？（希望）、それとも切ない思い出と共にアレなのか？　終末への歩みを明確に示しているだけに気になるところですが、そんなんどーでもいいくらい、昨日のワタシはなんだかすんごく救われました。　ありがとう、まほろさん！

　図らずも上記三冊全部がメイドさんつながり（いや、シーグル（前世ver.）は単なるエプロンドレスか？）とかいうのは、ワタシの意志が介在しないで発生した不可抗力なのであって、決して前回の続きとかでは無いのであることよ？念の為。（^^;）
　あ、来月は待ちに待った『寡黙の刻２』だー！ヤッホウ！！

[最近読んた漫画] 990913

　さて、、『極上天使４』、『プラネットラダー２』、『パーフェクトストレンジャー』と立て続けに入手してホクホクです。　子供神楽ラヴリーっ！！　まどかさん、頑張れー！！　…だがしかし、突然ですがメイドさん特集です。（ウヲ！）
　ちなみに私、ソノ手の属性は特にないつもりなんですが念の為。(^^;)
　で、心に残ったメイドさんベスト３ー！！

似るとは思っていなかったが、ここまで似ないと、もう……　(T_T)

3.キャリー（『FAMILY!』　渡辺多恵子（小学館））

　アメリカ代表
　イキナリ古い！　でも、私がまず“メイドさん”と聴いたら、彼女のことを思い出すのだだだ。　だからランクインなのだ！
　プロフェッショナルなスキルを披露しつつ、それをできない主人に威張りまくる性格の悪さ（つーか、ひねくれ度合）、実は人を良く見ている人間の出来具合とか、やっぱり人情に濃い人だとか、「あーゆーカッコイイプロの姿もあるんだなぁ」的な間違った（？）認識を子供ゴコロに植え付けた偉大なアメリカおねーさんデス、ハイ。(^^)
　ちなみに、御主人様と恋に落ちません。(^^;)

2.“お嬢さん”（『観用少女　２』　川原由美子（朝日ソノラマ））

　中国代表（？）
　『観用少女』のエピソード『空中庭園』でゴタゴタに巻き込まれるメイドの彼女、実は名前が出てこないのだ。
　きっちりと芯が通っていて、プロのメイドとしての誇りや立場（？）をわきまえた言動を取る彼女に感心しつつ、割とふつーのお嬢さんな感じや、兄弟思いなお姉さんである所など、人間的にすっげー魅力的であるとのことよ。　うっとり。
　カモにされやすいところなんかも、密かに惹かれるのかもしれないとかいうのは、また別の話。(^^)
　ちなみに、御主人様の飼い主と恋に落ちます。(^^;)

1.アラム（『逢瀬』　草川為（白泉社・『LaLa-DX 9月号』））

　？（不明）代表
　このランキング中、唯一“メイド服”を着てます。　そして御歳77歳デス。　若々しくてお美しいデス。(^^)
　ファンタジーなシチュエーションの中、御主人様と溢れる想いをさり気なく交わし、視線で語り、空気で感じ合うような、気持ちの良い人（達）です。
　粋できっぷの良い台詞もカッコイイ。　こんな、穏やかな気持ちになれる“奇跡”なら、信じたくなります。
　そして、主人と恋に落ちることはなかったけど、でも、きっと天国で一緒に。(T_T)

　…と、いうわけで、今月の『LaLa-DX』も極めて良質です～。　スバラシイ。

　あと、次点で『赤い牙シリーズ　ブルーソネット』でランが潜入した際のメイドルック（あとイワンもいたよーな？）が心に残ってますー。　そういえば番外編でもメイドやってたな、確か。　こーして見ると、柴田センセ、性根の入ったメイド好きなんですね。(^^)

[最近読んた漫画] 990809

　いままでは分別ある一部の人の楽しみ（だと思っていた）『ガンダム・センチネル』的な遊び方をほじくりかえされて、またそれをなんとなく“消費”されそうな感じが少し抵抗のあった（長い！）『G20』（アスキー）をNo.6にして、ついに買ってしまった。　オレ的ガンダム青春な時代の象徴・『サイバーコミック』について触れられていては、逆らえず…(^^;)　少しうれしかった。　でも、あの手の、マニア系アンソロジーって、NHKで漫画番組がある昨今にしてなお逸汎的な世界ですよね。　まぁ、“あの手”じゃなくても逸汎的なのは幾らでもあるのが世の中なんだが。（少し意味不明）
　記事中でも少し触れていたけど、取り敢えず、『サイゴン0081』を完結させてくれよーーー。

1.『天上天下　３』　大暮維人（集英社）

　いつのまにやら売れっ子漫画家になられて、大忙しみたいですが、よーや３巻が出ましたねー。　ヨカッタ。（『火魅子伝』の方は、不完全燃焼みたかったし）
　それにしても、いやー、盛り上がってますなー。　往年のジャンプ超格闘モノのノリで、複数シナリオ同時進行の、予想外に味方も敵も強かったり、泣かせたり、笑わせたり、強弱メリハリありーの、強いヤツは次々出てくるーの、かわいそキャラかと思ってたセンパイが結構重要な役所だったりで、どんでんでんですー。　いや、高柳センパイは、結局は可哀想みたいですけどね。　ま、雅史ーっ！！（←まだカンチガイしてる）
　そんで、往年のジャンプ格闘マンガにも増して、人間模様がフクザツになりつつあり、「どどど、どーなるんですか、これから？」感も、いやが応にも盛り上がるというものです。　さてさて、これからも、楽しみー。
　…ちなみに、おねーさんは、ガキに戻らないんですか？(^^;)

2.『大復活祭』　みなぎ得一（ワニブックス）

　ちょい前に出てた奴ですが、一旦買いそこねると入手困難になる奴でして、今になってよーやく保護♪　ヨカッタヨカッタ。
　装丁からして、相変わらずのぶっとびよう。裏もスゴイ。スキだなぁ、こういうの。
　とってもイカスガイが大活躍かと思えば、ポニーテール愛好会だったり、けなげーな相棒かと思ったらアブナイ小悪魔ちゃんだったり、イキナリ主人公コンビが代るし、それでもやっぱりポニーテールだし、悪のあかずきんちゃんがアレだったりと、混沌をきわめてますです、ハイ。　それがまた、気持ちいいんですよ、これが。
　…関西人の誰もがツッコミチョップを生まれながらにして標準装備してるって、ホントですか？(^^)
　前作（？）『いろは草子』のテイストが微妙にブレンドされつつも、ニュージェネレーションっぽさが新鮮で、且つ旧キャラも美味しい役で出てくるのが、これまた非常に嬉しいこと甚だしくて、よさげーでアル。
　何気に大団円っぽくて気持ちよくなってたら、最後の最後でイキナリの展開とか、「定石や理屈はともかくとして、楽しませよう・楽しもう」という心意気がアッパレです。　さすがー。

3.『あやかし歌姫かるた　１』　片山愁（角川書店）

　こんなところで連載しているのを皆目知らなかったので、嬉々として購入。　なんだか、得した気分。
　（読み中）
　…いかーん！　原作者、アンタ、間違ってる！　…が、第一印象。
　この原作、片山センセのセンスの良さをスポイルしてないか？
　片山先生の画力・画面構成でかなり救われてるけど、なんか、駄作っぽいぞ。
　これまで、私がここで作品の文句を書くことは無かったのに、今回はたまらず書いてしまった。　原作者が悪いのか、それとも片山先生が新しい境地に踏込む苦しみ中なのか、解らないけど、取敢ず、現状では不満だー。だー。

[最近読んた漫画] 990709

　某情報筋（つーか、姉だ、オレの）によると、『極上天使』が最終回だったそうだ。　ギャー、粗筋を教えるなーっ！　貴様は鬼か？！悪魔か？！　○○○km/hで逃げ出す俺様なのでした…

1.『ペーパームーン』　山田睦月（新書館）

　いー、話だ。
　老人（達）と少女、その渋い組み合わせのみならず、静かで、優しくて、強い話です。　極甘かと思えば、渋い。　ウマいなぁ。
　フィーには、幸せになって欲しいです、ホントに。
　掲載から５年間、単行本化を待ち焦がれてましたよ～ん、という、オススメの一冊。

2.『エルナサーガ　１３』　堤抄子（エニックス）

　うをーん（Ｔ＿Ｔ）　感動の最終巻デス～っ！
　ＳＦマインドを根底に持つ生粋のファンタジー、ここに完結！　おめでとう！
　絶望的な戦いの中で少しずつ強まってゆく絆、悪とか正義とかじゃない正しさ、どこまでも、どこまでも強い人の意思、哀しさ・恐れ・希望など様々な想いを残して去ってゆく人、そして、全てが終わって、これまではうら哀しい風景にすぎなかった“夢の大地”に二人が立つ…　うをーん（Ｔ＿Ｔ）
　シャールヴィかっこよすぎ。　そして、彼と離れてしまったエルナが、あんなに取り乱してくれて、嬉しかった。（←少し罪悪感）　よかったねぇ、ウンウン。
　“世界を滅ぼす系”のファンタジーとしては、オレ的大名作『月光』（那州雪絵・白泉社）に通じるもの哀しさ・清々しさを覚えるのだが、比較云々よりも幾許の共通点が嬉しかったりするノダ、何故か。
　そして、雰囲気や設定・キャラクターなどに頼ることの無い、見事なストーリーテラーぶりに諸手を挙げて降参です。　ホント、スゴイ。
　“悩む力”、そして“新しい大地”を持つ彼らは、ずっとずっと幸せに暮しましたとさ。　めでたし、めでたし。

3.『月光　全５巻』　那州雪絵（白泉社）

　…というわけで、思わず読みたくなって、久しぶりに読みかえしました。(^^)
　密かにここの冒頭の“[最近買った漫画]”を“[最近読んだ漫画]”に変えたのも、これだけの為だ。(^^;)
　なんか、ひどく前の作品な気がしていましたが、実は最終巻が出たのが９６年の一月だから、ほんの三年前だったんですね。　…そっか、『月光』が終わって少しして『花とゆめ』の購読を止めたんだっけな。
　まぁ、そんなことはともかくとして、悪意を持ってこの作品を一言で言うと、“異世界へ行ってしまって、世界の命運を云々”系統の少女漫画です。　なんか、パターンな気がしないでもありません。　でも、卑近な例として『彼方から』とかにも見られるように、人として非常に根本的な部分を思い返させられる題材なのかもしれません。
　そのファンタジーの中に、“平凡な日常”と裏腹の“詰め将棋のような悪魔的戦略”が語られ、その中で数多の人の思惑・想いが所狭しと語られ、一度や二度の絶望や逃避はなんのその、何回もの負けや見苦しさを乗り越えて、そして少し哀しさを残して、前向きに、世界全体が前向きに動きだすんです。　惹かれて当然でしょ？(^^)
　ただ、私としては、この作品で語られるギンガの持つ負の感情も、どこか魅力的なんです。　『フラワー・デストロイヤー』、『ダークエイジ』などでみられたような、焦燥感と諦めと破壊衝動をごった煮にしたようなそれは、上記『エルナサーガ』のヴァーリと似ているようで微妙に違って（ちっとも救いがないし…）、強く惹かれるのは…、相変わらずアブナイのかな、オレ。(^^;)
　そして、ラストのエピローグ的部分の余韻が、すんばらしいです。　現代妖精譚的オチ方かもしれませんが、何故か粋で現代的なテイストを持ったファンタジーな香りで、こう、微妙なロマンスが嬉しくなります。　うっとり。
　…と、作品紹介になってませんが、こちらも『エルナサーガ』に負けず劣らずのストーリーテリングぶりで、読み応え抜群です。
　台詞もいい。　鳥肌が立つような言葉が沢山有る。　「鬼のような物かと思っていたよ」とか、「羽根を持たない獣は～」のくだりとか、ゾクゾクしますなぁ。　それに、「いやなことやつらいことが～」と対になる「いやなことはさっさと～」とかね、含蓄が深くて、シンクロしちゃいますよ、主人公に。見事。
　誤解を覚悟して比較するなら、『エルナサーガ』は“少年漫画で純粋な愛と勇気の物語”で、『月光』は“少女漫画で少し現実的・少しロマンスなファンタジーストーリー”かな？　上手く言えないや。
　最後に一言かましていいですか？
「おばあちゃんっ子、バンザイ」(^^)

[最近買った漫画] 990623

　画集『GUNDAM FIX』が某書店に山積みでした（定価\1500のところ、\4500！）が、その場で即決しなかったばかりに入手しこねてしまい、後悔の嵐。うぐぅ。
　あと、『こみパ』で「日本に生まれて良かった」のフレーズ↑が出てきたことに、「さもありなん」と深く深く頷く私。
　そんな、呑気な日々。

1.『川原由美子選集　第二巻』　川原由美子（朝日ソノラマ）

　前期作風の完成型たる『CLIMB THE MOUNTAIN』と同時期のもので『ペーパームーンにおやすみ』＋『センチメンタル』の二本立て。『CLIMB THE MOUNTAIN』（選集第一巻）は単行本を持っていたんですが、この２タイトルは読んだことが無かったんで、すげーお得でした、私的には。
　もともと短編の上手い先生ですので、これらも良作保証です。
　バブル華やかりし頃の作品なんで、もう、十年近く経つんですね。　でも、ちっとも古くなってない。
　大雑把だけど繊細で、単純だけど複雑で、儚くて、でも強くて、そして人恋しくなるストーリー運びにうっとり。　言葉の使い方にベクトルが有るというか、強いんですよ。　アングルが次々と変わる画面構成も、映画みたくてうっとり。
　先生は、丁度この頃から少しチガウ味を模索されだしていたと思いますが、それが今は『観用少女』に結晶されていて、こうしてまったく別の作風の良作を改めて読むと、先生の地力を感じずにはいられません。

2.『LaLa DX７月号』　（白泉社）

　相変わらず良作揃いでコストパフォーマンス極上デス。　まぁ、今月は突拍子もなく飛び抜けたという作品は無い（と思う）んですが、それでもツボを押えまくりでウハウハです。
　まず、一番嬉しかったのが山吹みやこ『コーリング』だっ！　ファンだったのに、ファンだったのに、どうして居なくなってしまったの？！というセンセの久々復活！　ナンセンス（？）に拍車がかかった、すげー勢いに流されまくり。オチも見事っ！マンガならではの余韻がスバラシイです。むふーっ。　あと、トラウマがスゲエ。
　で、オレ的メロメロな田中メカセンセの『ときわ２本松』もうれし。　少し読みにくいかな？って気がしますが、セリフの一つ一つが気持ちいいんですよ。キレイ。
　新人とは思えない読みやすさに新鮮さを併せ持った青月いちこ『初陣』ですが、陳腐というかありがち話なのに、こそばゆくてスキだなぁ。　どーも、ニヒルな友人が流行ですかね、白泉社。　スキだ。
　『トラブルドック』（成程っ！上手いっ！）、『天然素材で行こう』（一生やってなさい）、『B.B.Joker』（偉くなったもんだなぁ、ヲイ(^^)）、『Honey』（新キャラの前振りなんでそれはいいとして、“柏木”が出てくる辺り、確信犯だよね？（謎））など、レギュラー陣は、もう安心のヒトコトです。
　味のある準レギュラーの読み切りも健在で『狼少年』（ちょっと判りにくいけど読みやすくなりましたね）、『薔薇色の日々』（相変わらず体育会系なイキオイ）、『BLACK CUPID』（友人っていいね）かと思えば、新人の『恋は底力』の勢いとテンポ、『幻想・即興曲』の拙さとキレイさも印象的です。
　特別読み切り『人形師の夜』がツボにぐぐっ～っ。(T_T)（でも、“美咲さん”(^^)）
　つーか、一冊丸々ナイス。　いい本だ。

3.『電撃大王』　（メディアワークス）

　あれ？いつの間にか角川になってたんですね、発売元。気付かなかった。
　月間化だ～、パフパフ、どんどん。　でも、『Dark Whisper』は？は？は？　『プチレンジャー』は？は？は？(T_T)
　あんまり期待していなかった『タイムトラブラー』最終回が、期待外れによかった。特にラスト数ページ。じんわり。ロマンだ。
　『To Heart』はレミイが主役だっ！　それだけでＯＫ！！　内容も、まぁ、ＯＫ！
　期待の『Special Harmony』が、ありゃりゃな展開でびっくり。さて、どうなるのやら。
　『SPROUT HEART』でしんみりさせるかと思えば、『高岩博士の異常な愛情』や『演撃少女　命』の一発芸もナイスだ。
　漂う懐かしさが新しい（気のする）『あずまんが大王』も調子いいね。今回はゆかり先生のパワーが少し抑えられてた？　代りにともちゃん絶好調(^^)
　取敢ず、月刊化で質を落とさない様に、定番を押えたってかんじ。　これからが正念場デスね、きっと。
　…『電撃大玉』、欲しいな…（笑）　私、ダメ人間ですか？

[最近買った漫画] 990520

　最近、長期連載の最終回ずいている今日この頃。　下記の『いいひと』、『永遠の野原』、『アルプス伝説』、そして『×-ペケ-』。　１０年前の自分、今の自分、そしてこれからの自分…、そんなことを、ふと考えたりしてます。

1.『いいひと　２６』　高橋しん（小学館）

　作者のこだわりで一巻増えたという、滅多に無いいい話なこれでホントの最終巻で大団円。
　エキストラエピソード（←故人と会話の出来る人柄てのは、なんか、うらやましいです）、最終章（←そしてみんないいひとになった。みんなで行くその先の未来、みたいな。）、最終話（←「物語はこれから始まるのだと」、うん(T_T)）、あとがき（←いろいろあったんですね）、エピローグ（←いろいろありそうですね(^^)）…、これでもかと言わんばかりの描き下ろしと、そのこだわりぶりに、作者の並々ならぬ思い入れがを感じましたね。感無量。
　それど二階堂さんがお姉さんで、野島さんが妹だったんかぁ、みたいなことをぼんやりと。（←論点がチガウ(^^;)）　あぁ、寂しい。
　「道行く人が　みんないいひとに見えた」　この結論に、若干達観しすぎというか、じいさん臭さを感じてしまう私は、まだ何かを捨てきれていないんでしょう。
　ホント、しあわせな話でした。

2.『永遠の野原　１６』　逢坂みえこ（集英社）

　一年前に出ていたのに、見逃していたものを、この度回収。　これにて完結・大団円。
　ハッキリいって、連載の途中で話が泥沼になった頃は、巻を読み重ねるごとに本気で落ち込んだりしてましたが、収まるべきところに収まって、一安心。　でも、微妙に儚げというか、それでも前向きというか、少し哀しさというか、でも優しい読後感が気持ちいいです。
　結局は恋愛沙汰なんだけど、人の価値観や行動原理、理屈じゃない心理など、考えさせられること・学ぶものが非常に沢山あった物語でした、私にとっては。
　あの辛い恋がマリコさんを強くするのだろうし、二太郎も然り、みかんは…何も無さそうですね。(^^;)　野沢は…、ますます強くなる一方(^^)　つーか、一番強い奴だったんだなぁ、と再認識。
　最後のコマのカキの瞳が、野原を吹く風が、「きっと永遠なんだろうな」、そんな気持にさせられました。

3.『スペースアルプス伝説』　田丸浩史（徳間書店）

　まさか全書版になるとは　(^^)
　まさかタイトルまで変えるとは(^^;)
　まさか表紙が寺田克也氏だとは(^^;;)
　ま、まさか、描き下ろしが便器とはっ…、判るぞ、その気持。(^^;;;)
　ま、ま、まさか、ホントにラブコメをするとは…、あ、ちゃんとオチてるや。(^^;;;;)
　あー、最終話はやっぱ、こうなるのか。大納得な大団円に（＾＾）
　最近妙にみかけることの多くなって、最早、ステロタイプの一つとなった感のある“オカルト研究部の黒魔術的女子部員”の元祖（除く、ケタ違いに元祖の黒井ミサ＠『エコエコアザラク』）であろう、呪い部・呉石同輩も描き下ろしで活躍してて、マンゾク。(^^)
　二巻以降の連載分もようやく読めて、これで枕を高くして寝れるというものである。　ホント、待たされたデスよ～。　いや、もう、サービス満点、具沢山っ！！
　ともあれ、拡張日本語の達人（←謎）というか、言葉の魔術師、とくと堪能させて頂きました。　闇夜に響く笑い声がまた一つ…

[最近買った漫画] 990417

　今月の更新は、月末の『アルプス伝説・全書版』と、『いいひと　２６』の後にする予定であったが、先程買ってきた４．↓がかなりキてしまったので、今日書く。

1.『LaLa DX 5月号』　（白泉社）

　今回も小粒ながらピリリとくるお品書きでよさげでした。
　『天然素材で行こう』は、理々子って、こんな奴だっけ？、ってのはカワイイのでいいとして、最近の白泉社のオッサン志向（？）が如実に反映されていて、オレ的にナイスでした(^^)　オレもヒゲとサングラスの似合うオッサンになりたいです、ってのもいいとして、こう、ビジュアルイメージの作り方が上手いですよね、流石。
　『HONEY』は、「ヒロイン（？）が千鶴さんで、黒髪ロングで、シャギーで、ちーちゃんで、美人カワイくて、偽善者なのに、どうして誰も何も言わないダスか？」ってのも、いいとして、泉ちゃん好きだなぁ、オレ。（爆）
　『目隠しの国』の続編が出るとは思わなかったので嬉しいぞ。なんで、こう、筑波センセの女の子は、こうもアグレッシブで前向きなのだろう…、眩しいです、オイラ。
　ベテランの『トラブル・ドック』も面白いし、確か５年くらい前にもトイレネタやらなかったですか？(^^;)の『from Mr.WC』もキャッチーだし、余韻が不思議で気持ちいい『バードランド』、新人で光る『プティング・レシピ』などなど、ああ、よさげ～。

2.『メロディ 5月号』　（白泉社）

　内容如何で買ったり買わなかったりするんですが、先月は『Doggy Days』で買い、で、今月は『GO! ヒロミ GO!』で、買い、なワケです。
　いや～、麻生センセ、こんなん華やか（？）なのも描くんでしたよね、そういえば。　最近、高校生ばかりだったんで、忘れてました。　折角、大学が舞台なんだから、アガペー宣教師教授とか出てこんのかなぁ～なんて、期待しちゃいましたよ。(^^)（←見当違い？）　いや、ま、頑張ることはよい事です。　見失わないでほしいっす、その気持。
　ちなみに、こちらでも、オッサン（でも23）がいい味出してて、いい感じです。　このまま突っ走ってホシイです、個人的には。

3.『これらすべて不確かなもの』　あとり硅子（新書館）

　ちょいと古いのですが、やっぱりいいなぁ、このヒトの短編は～、ってことで補充。
　表題作の『これらすべて不確かなもの』は設定のキテレツさに笑えるかと思えば、オチのしんみりさもサワヤカで、「あぁ、こんな考え方もあるんだ」と、仄々しました。オレはイヤだけどね。(^^;)
　『天色神殿』も、仄々です。おまけに、“おまえ”の言葉遣いや神官様のキュートな可愛らしさも相まって、ちょっぴりしんみりして、お得です。　ラブリー(^^)
　『やまつみのころびね』の神様が、“いかにも”昔話っぽくて、いいかんじです。　ホント、いとことか、幼なじみとか、兄弟とか、そういうのを心地良く描くてヒトなんだなぁ、と再発見したです。
　で、『猫とUFO』、これだけでオレ的にはご飯三杯いけます。特に猫。オレ波長にピッタリです。
　…って、結局、全部の短編が良いです。　面白いとかじゃなくて、こう、自分の中でも大切にしときたくなる気持がこもっているような気がして、微笑みながら読んでしまうような、そんな感じの短編集です。　うむ、良い。

4.『ゴーストハント　１，２』　いなだ詩穂・小野不由美（講談社）

　今月のイチオシ。　ちゅーか、いなだセンセが講談社に移っていたとは知らなかったナリよよよで、嬉々として購入～。　しっかし、『なかよし』で描いていたとは…
　二巻の絵柄が変わっていて、最初は誰の絵か解らなかったですが、相変わらず丁寧な絵で、話のテンポも上手いです。
　白泉社にいたときも原作付きをやられましたが、雰囲気を出そうとする努力が空回りしていて、ハッキリ言ってぎこちなさがあったとおもいます。　それがこの変わりよう！　生き生きとキャラクターが描かれていて、オカルチックな中にテーマ性みたいなものが感じられて、すっげぇ読み応えがありました。
　サイコサスペンス的な一巻、完璧オカルトな二巻と、それぞれの魅力があってお得です。　特に二巻は、なんか恐い気分になってしまって、涙腺緩みそうになりました。　いや、不覚。
　この調子で、昔の短編集も早く出てくれないかな～、みたいな。　某江戸っ子ねーちゃんがまた観たいです。パクリっぽくても、スキ。（←失礼）

[最近買った漫画] 990308

　今後読み返すことが無いであろう漫画単行本を処分するつもりで整理を始めました。　しかし、念のため読み返してみると非常に面白かったりして、漏らしていたシリーズを買い足したりしてしまい、泥沼。(^^)　←『-神林＆キリカシリーズ-』が妙に面白いのだだだ。杜野亜紀センセのデビュー作『ニセアカシアのナントカ（うろ覚え）』はどれに収録されてるのかな…。気になる。　結局、漫画用コンテナがちっとも減らないザンス。　これは宿命？

『心の家路』　遠藤淑子（白泉社）

　丁度私が『花とゆめ』の購読を止めた頃からの掲載された短編集なんで、私にとっては描き下ろしみたいなものなんですが、遠藤先生作品はISO9000シリーズが取れる程の品質管理がなされているので、安心して読めます。(^^)
　いや、“泣かせ”の質は作品ごとに違うんで、マンネリとはほど遠い作品群にISO9000が適しているとは言い難いでしょう。
　それでいて、しみじみと来るテイストは遠藤印抜群で、なんか、こう、大切にしなきゃイケナイ気分にさせられます。
　ワケわかんない解説ですが、「読んだら得しますので、読みましょう」と人に勧められる“ヒューマン・ストーリー”です。

『いいひと　24,25』　高橋しん（小学館）

　このシアワセっぷりは、いよいよラストが近づいてきた感を強くさせられます。
　ある意味、某課長漫画（いや、最近は部長か）的な童話かと思っていましたが、根本的に“人を育てる”テーマがあったことを、今さら気付きました。　「ひとりじゃなくて良かった」、この台詞を人に対して言えるというのは、なんか、すごいうらやましいです。　こういうのが、人徳なんでしょうね…。
　私はというと、のじの可愛さっぷりに心をかき乱されまくってますし、二階堂さんの空回りっぷりにぎゅーつな感じで、ゴロゴロです。　この辺も非常に見所でしょう。（←バカ）
　それにしても、２５巻で完結の筈ではなかったんでしょうか？　「構想拡大につき、延長」ならいいんですけど、某『ドラゴン・○ール』みたいなことにならんことを祈ります。（←連載の方を読んでないので、不安なんです）

『寡黙の刻　１』　よしのひろみち（集英社）

　作品的には、世紀末カタストロフィモノをタイムトラベルモノと併せてＳＦしまくりラブストーリーのエッセンスを織り交ぜた、なんともオイシイ漫画です。　←安直に聞こえるかもしれませんが、これらの破天荒な設定で読者グイグイと引張り、その世界を受け入れさせる気迫がこの作品にはあります。　そして興奮させられます、ホントに。
　そんで、幸薄い知世さんや、現代編ヒロインの“正統派眼鏡娘”今日子サン、そしてオレ的ヒロイン（←バカ？）の李ちんと、女性陣も魅力満載です。　このスッキリ系とあったか系の混じった味のある絵柄で、むちゃくちゃ魅力的な正面顔で笑顔をみせられた日には、心にズンッと来ますですよ、ええ、そりゃ、もう。　（あぁ、委員長もクるものがあるでしょう、特に叱られたい願望のある人には（？））
　完全にノーマーク作品で、地味ーな単行本表紙も併せて、掲示板で勧められなければ絶対に読まなかったであろう作品です。　大感謝＞sugichさん

『エルナサーガ　１２』　堤抄子（ENIX）

　ＳＦテイストを織り交ぜた設定ながら、生粋のファンタジー世界を描ききっているこの作品もいよいよクライマックスに向かって盛り上がりつつあります。
　その連携感・達成感の中、相も変わらず醜い人間の姿も描かれていて、人の業の深さを感じざるえません。
　そしてエイリークの選択とその結果やシグルーンとの絆…、「哀しくも美しい」などと陳腐な言葉しか浮かびませんが、心えぐられる読後感に打ちのめされます。　先代の勇者が魔獣と戦った際の世界樹もまた、誰かの魂が支えたものだったんでしょうか…。
　それにしても、シャールヴィの報われ無さは、はやく何とかしてほしいですよねぇ。(^^)　時々好戦的過ぎるきらいがありますが、なんだかんだ言って思慮深いし、あんなにいい男なのに、かわいそうナリ。
　すべてが終わった後に５８話の扉みたいな世界があるのか？　それとも全滅ＥＤなのか、予断は許しませんが、完結する次の１３巻が楽しみです。

[最近買った漫画] 990131

　某情報筋（笑）によると、『極上天使』の連載で何かが起こっているらしいとのチクリがあって、単行本フォロワーの私にとっては気が気でない今日この頃。　どないしてくれるねん。(^^) …、と言ってたら、どうやら私の想像していた最悪の事態だけは避けているらしいことが判明。　ふぃー、良かった、良かった。(^^)19990207

『夢を見る人』　橋本みつる（ソニーマガジンズ）

　白泉社の短編作家の中にはいい作品を残しつつも静かに消えてしまう人が多数居て悲しい限りなのですが…、よもやこの人が『EXIT!』に続いて単行本化されるとはっ！　ブラボー！！
　表題作は最近の作品ですが、残りは８年前～４年前に掲載された作品です。　全部覚えて居るデスよ、この感動。特に、表紙と折り込みポスターにもなった『DANCE AWAY』。　この前むきなベクトルを持った感動が、色褪せることなく、ハッキリと。
　さめた感じと、微妙な暖かさと、時々のはかなさとが、味のある絵柄と相まって、こうビンビンと心に訴えかけて来るんですよ、うまく言えませんが。　最新作もそのテイストが変わっていなくて、うっとり。
　オビにある「異色の短編集」、ビラにある「珠玉の短編集」と、一見両極端なアオリ文句な作品ですが、間違いなく「買い」です。　そして今月イチバンのヒットです、オレ的には。

『ＬａＬａ』　（白泉社）

　今月は連載の調子もよくて、ナイスな読み切りも盛り沢山で、良きかな。
　『NATURAL』は新章（最終章）の前振り的みたくて色々と戸惑うところが多いんですが、これからはジーさんが活躍しそうなのは楽しみ。過去にどうケリをつけるんでしょうね。それしにても、堂本はケリをつけちゃったのか？
　『っポイ！』は久しぶりにヤバメなネタなんですが、少年たちの気持ちは解らなくもない…なんて気がするのはヤバいか、オレ。混乱して出口が見えないキモチを、後編でどのように昇華させるのか、来月が楽しみです。
　『彼女彼氏の事情』は…、少しインターバルって感じですね。思うところはいろいろ有るが、表紙の月野・花野が可愛く描けていない時点で大減点なんで、ダメダメ。（ヲイ）
　『かたつむり前線』…、絵柄の変化に鈍い私をして気がついた原稿の白さは一体どうしたことでしょうか？　ベタなんてあんまりな塗り方だし…、単行本化の際は全面描き直しだな、こりゃ。
　『月光熱』は、十年目（９年目だっけ？）を経てすっかい絵柄も凶悪になったセンセとは思えない、みずみずしい話で、すこしホロリ。　時々描くんですよね、こういったいい話の短編を、橘センセは。
　そんで、今月一番楽しみにしていた『お迎えです』（田中メカ）ですが、初っぱなからぶっとんだシーンで始まって、この時点で一本取られました。(^^)　少年漫画ならまだしも、少女漫画でこの設定はないだろ、みたいな私の概念をふっ飛ばすようなほのぼのぶりが、なんか嬉しかったです。　もしかしたら連載を見越した設定？みたいな気がしなくもなく、少し話も薄い気がしますが、ファンなんで、許す。（えらそう）

『電撃大王』　（メディアワークス）

　『To Heart』がナイスです。　いままで、どこかぎこちなさがあったキャラ描写ですが、ここに至っていい感じだなぁ、と思えました。　志穂には可愛そうだけど、可愛いじゃん。(^^)　セリオも大活躍で大復活だし、相変わらずレミイは能天気だし…、あ、このポスターはとっておこう。(^^;)　最近、レミイがオキニイリなんで。
　『演撃少女　命』は、まだ波に乗りきれていない気がします。　センセの作品にしては、主人公が半端に良識を持っているのがいけないとおもうのですが、如何なものでしょう。　手っ取り早く変なおじさんを出すとかして、もっと突っ走ってほしいものです。
　『宵闇眩燈草子』は…、やっとこのプリティ少女（？）の正体が見えてきましたねぇ。　やっぱ雰囲気出すのがうまいなぁ、うっとり。　ついでに猟奇な戦闘もあって、今回、お得です。　ついでにっ、『高岩博士の異常な愛情』の突発掲載もあったので思わずガッツポーズを取る私（笑）　「ガッツ石松～」ってのは初耳。やっぱ「ファッ○します～」だよな、アレは。　あ、ダイバーが酷い目にあってないから物足りないや。
　『Ｄ．Ｗ．』は？　『肉弾チビッコ～』は？？？

[最近買った漫画] 990115

　某情報筋（笑）によると、『ダークウィスパー』単行本作業が着々と進んでいる模様。“世界観の見直し”とかがあるらしいが、“EC”を“EU”に、“エキュ”を“ユーロ”にするだけとかだったら、イヤだな。（そんなわけねーって）

『極上天使　３』　東山むつき（秋田書店）

　待ちに待った第三巻。
　神楽LOVE～(^^)
　いや～、１６の小娘とは思えない姐さんっぷりに、惚れ惚れしますよ。
　それにしても、方向性が徐々に変わってきたかな？という感じもします。　これはこれでいいんですけどね。　触れれば切れそうな、切ないドラマが連続していて、目が離せません。　どうなることかと心配していた聖也編は、いい具合で大団円になったけど、清原まどか編は…、ううう、心が痛い話だ。
　その清原まどか嬢、色々とアレだけど、結構ファンになりそう。頑張ってくれ。
　ちなみに、皇のことは私も忘れてた。　すっかり影が薄いね、奴。これは、奴も何か不幸な過去を克服するエピソードでもない限り、神楽から見放されるのでは？　とかね。
　徐々に話が進みつつある予感。　これからも目が離せませんな。

『かたつむり前線　２』　藤川佳世（白泉社）

　裏表紙はドリームキャストな感じでアレですが、多分こっちが元祖なのでは？　ＴＭを申請しているとは思えないけど。（かんけー無い）
　さて、連載再開してからの、調子のよい回をまとめたこの単行本は、かなり読めます。
「ふ、ふっ、芙美おね…っおねぇ　さん…っ」
　は、相変わらずクラクラくるですよ。　ブラボーっ（←バカ？）
　いや、芙美サンかっこいいって。　朝子もかっこいいし。　あ、朝子かーさんも、結構イケルかも。　節操無しか、オレは。（そうだ）
　読み切りが収録されてますが、今見てみると絵柄がちょいと違いますね。いなだ詩穂センセに似てるような気がするけど、アシスタントでもしてたのかな？　それにしても、新人でありながら上手い。　流石だ。
　巻末のおまけも楽しい。　でも、表紙がイヤ。(^^;)